6.バーレルガーシュの歌

さあ 行くんだ
忘れられた凱歌を胸に抱き
曠野の風だけが渡って往く
遥かなるその先へ
笑えば良い
この時を待っていた
誰もが私を見過ごす瞬間
気のせいだろう?
昨日の韻律
どこかで入れ違っていた
叫べど
憎めど
讃歌はひとしく降り注ぐ
口を閉ざす拝謁者達
轟音 罵声
鐘は喧しく鳴る 鳴る

たくさんの後悔と
積み重なる懺悔が
どこにも行けず迷子のまま
引き裂かれ千々に舞う
容赦なく頬を叩く風が
夜明けを連れてくるまで
泥濘に棲む魂を燃やせ
動け 足よ
記せ 耳よ
響け 目よ
諦めるな

意味のない命だと
街角に捨てられたひとり
誰も知るはずのない
君の昨日
私の明日
このままでいよう
やがて落ちる最上の寓話
語り部を失えば
枯れるまでのこと
ただひとつの選択肢すら
塗りつぶされていく

帰らないと決めた星夜の果て
振り払った日々はただ愛しく
黄昏に頷いたあの合図
祈りのように思い出しては
悲しみを追いかけた
私だけに誓う無限の旗
背負った願いなどここには無い
寂しさも ぬくもりも 歓びも
君も 愛も
そのすべてにさよならだ

心のままに望んだ荒野を
ただひとり放れる時がきた
すべての朝もすべての夜も
取り取りの花片となり
追憶の窓辺に咲く
祝福には遠い日々だとしても
狼狽えるな
無限の色
無限の旗
無限の道はこの手の中に
前を見据え
笑みを浮かべ
風とともに
この荒野を駆けていこう

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