5.出立の朝 始日の鐘が鳴ると 街は一瞬静かになる その隙間を縫うように 僕たちは街を出た 城壁の向こうには さざめく緑の草原 遠く見渡した空に 明けの星が輝く 白む空は 星を吸い上げ 遠い地平に返す 歩き出した僕の昨日も 雲に 風に 押し流されていく 初めて見る夜明けに 少年は何を思うだろう 離れていく城壁は 赤く照らされていた -Download- PDF版 PNG版(Zip圧縮)